2月~3月の花と言えば、梅の花の季節。
長崎に梅の花の名所がないか、調べてみると、丸山にある神社を発見。
坂本龍馬の刀傷で有名な料亭『花月』の横を、少し上がったところの、
『梅園身代り天満宮』。
そこは、長崎の花街を支え、生きた女達の心のよりどころだった。
『梅園身代り天満宮』(うめぞのみがわりてんまんぐう)名前の由来
この神社は、1700年に創建され、“身代り天神”と呼ばれ親しまれてきました。
『身代』の由来は、創建者の安田次右衛門が、何者かに襲われ、左脇腹を刺され倒れた。
なのに!、どこにも傷が残っていなかった!。
代わりに自邸の祠の天神像が、左脇腹から血を流していた。
天神像が身代わりになってくれた!ので『身代わり』と呼ばれるようになった由来だとか。
また、ここ丸山は昔、長崎の花街で、料亭や遊郭などで、大変賑わっていました。
ここの人達は、身代を”みだい”と呼んで、自分の生活に苦労がないように願って、
参拝していました。
『長崎ぶらぶら節』(なかにし礼著)ゆかりの地
ここは、直木賞受賞の小説『長崎ぶらぶら節』(なかにし礼著)の
ゆかりの神社でもあります。
主人公の愛八(あいはち)は、貧乏な田舎から芸妓になる為に長崎丸山へ出てきて、
努力のすえ、丸山で5本の指に入るほどの名芸妓になりました。(実話)
義理人情に厚く、生涯を無償の愛に捧げた女性で、
わが子のようにかわいがっていたお雪が、病に倒れた時に、
病気が治るようにお百度参りしたのが、ここ梅園身代り天満宮でした。
2000年公開の、吉永小百合さん主演映画『長崎ぶらぶら節』の中でも、
お雪に『わたしが身代わりになってやるけん』と励ますセリフなど、
身代わりという言葉が、本作品のテーマであったように思います。
愛八が座敷に出ていた料亭 花月(かげつ)
長崎検番は、芸妓を抱える置屋と料理屋の調整役等していました。
春の訪れ 気品ある梅の花に囲まれて
梅園身代り天満宮は、その名の通り、梅の木がたくさん植えられています。
春には、全体を数種の梅の花が取り囲み、絶好のお花見スポットとなります。
歯痛狛犬(はいたこまいぬ)お口は飴玉でいっぱい?
境内に歯痛狛犬というのがあるのですが、なぜか、口に飴玉がたくさん詰まってます。
実は、歯が痛い人が狛犬の口に水飴を含ませると、痛みをとってくれたと
言い伝えがあり、今でも参拝客から口の中に飴を詰められているみたい。
なんか、少しかわいそうな感じもしますね。
長崎の歴史あふれる雰囲気が残る丸山周辺
丸山周辺には、古い建物がそのまま残っており、
長崎の歴史あふれる雰囲気を味わえます。
狭い坂道の奥に、いろいろ歴史的な建物や石垣、石畳があり、
歩いているとタイムスリップしたような気に。
丸山入り口付近の丸山交番は洋館を思わせるレトロな雰囲気がGood!
丸山への入り口は、思案橋(しあんばし)を通っていきます。
『花街へ行こか?戻ろか?思案橋』
『尾曲がりネコ』さんとの出会い
入り組んだ路地裏を歩くと、『尾曲がりネコ』さんとの出会があります。
なぜか長崎のネコは、尾曲りが多いです。
しっぽが短くて、先が鍵のように曲がっています。
別名、『カギしっぽ』とも言います。
梅園身代り天満宮
〒850-0902 長崎県長崎市丸山町2−20 梅園身代天満宮
入場無料
梅の花の見ごろ:2月中旬~3月上旬